木遊びギャラリー MOEMI (2) Excavations of a Mood とある気の発掘

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木遊びギャラリー MOEMI (2) Excavations of a Mood とある気の発掘

「布にまつわる手作業」に忙しいMOEMIさんからの久しぶりの作品は「Excavations of a Mood とある気の発掘」で、縦41cm、横80cm、厚さ3.8cmという大作です。

MOEMIさんによれば、この作品は「布へ刺繍をし、それを染め、その上にまた刺繍を施したり、今度は漂白剤で色を抜いたり、の繰り返しによってできたものを木製パネルに貼り付けた。刺繍は布の両面から施しているため、縫い目の揃った意識的なステッチ(表)と、玉留めや作家の手や目線の移動が可視化された無意識的なステッチ(裏)が同一平面上に混在している」とのこと。また「Excavations of a Mood とある気の発掘」という難解なタイトルについてのMOEMIさんの思いは次のとおりです。

『木工を楽しむ方たちも感じていらっしゃることだと思いますが、手を動かして物を作ることには大きな喜びがあります。私は布にまつわる手作業(糸を紡ぐ、布を織る、染める、刺繍する、裁縫をする、など)でその喜びや、なんとも言えない気持ちを日々味わっていて、とくにこの作品の制作ではそれらの作業を進める中で感じる、曖昧で捉え難い、でもそこに在る「意識」や「気」なるものと向き合おうとしました。「意識」や「気」は目に見えず、遺跡のように考古学者に発見される物ではありませんが、本作のタイトルではそれをあえて「発掘」という言葉と結び付けることで、人の営みに付随して確かにそこに存在している・してきたものとして示そうとしました。結果この作品は特定の地域や文化に限定されない「〇〇の模様のような、でも違う何か」として、例えば見る人によってはそれは日本の着物や襖絵のようであったり中国の水墨画であったりし、作者の私の意図とは関係なく、複数の意味を持つことになります。』

さて、木遊びギャラリーの「カテゴリー」の一つに「アート」がありますが、そもそもMOEMIさんの作品のような「アート」と、木遊びのおじさん達もすなる「木工」とは何が違うのか、「木工」は「アート」なのか。「木遊びギャラリー」の管理人としては、ここいらで違いを明確にする必要があると感じます。

MOEMIさんの作品