木遊びギャラリー MOEMI (3) Appropriation and Restoration　盗用と修復

MOEMIさんの次なる作品は「Appropriation and Restoration　盗用と修復」と、これまた難解な作品名。板と彫刻刀で木版を作り、布に模様をプリントしてから刺繍を施し、その布を木遊びで製作したパネルに貼り付け、その上にテープでマスキングをして、上からパテを塗り、乾いてからテープを剥し、最後にスプレーで彩色し、その上からやすりをかけたという作品で、大きさは縦26.3cm、横55.7cm、厚さ4cm。

MOEMIさんの思いは「私は普段具体的なイメージやテーマを決めずに作品制作に臨みます。この作品は出来上がってからその様子を観察し、英語と日本語のタイトルを決めました。中心の植物のようなモチーフを起点に光が射しているようなシンメトリーの構図の本作は、国旗や何かのシンボルのようで、他の文化から根拠なく形式だけ盗んでいる気がしたので「盗用」という言葉を思いつき、またパネルに貼られ、上からパテを塗られることで柔らかさを失った布の表面は時の流れで埋もれてしまったものを掘り起こしているのか、剥がれてしまったものを保存しようとしているのか、何かを残そうしているように見えたので「修復」という言葉が浮かびました」。

また「このくらいのサイズのパネルならようやく製材からひとりでできるようになりました」と木遊び管理人として嬉しいメッセージもいただきました。